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国際経済法 条約・法令集 - 欧州経済新聞

附録(下田条約)

日本国へ合衆国よりの使節提督ペルリと、帝国日本の全権林大学頭・井戸対馬守・伊沢美作守・都筑駿河守・鵜殿民部少輔・竹内清太郎・松崎満太郎、両国政府のため、取極め置きそうろう条約附録

第1ヶ条〔関所の設置、法令違反者の取扱〕
一 下田鎮台支配所の境を定めんがため、関所を設くるは、その意のままたるべし。しかれども、アメリカ人もまた既に約せし日本里数7里の境関所出入するに障りあることなし。但し、日本法度に悖(もと)る者あらば、番兵これを捕えその船に送るべし。

第2ヶ条〔上陸地点の設定、日本国官吏に対する丁寧義務〕
一 この港に来る商船・鯨漁船のため、上陸3ヶ所定め置き、その一は下田、その一は柿崎、その一は港内の中央にある小嶋の東南に当たる沢辺に設くべし。合衆国の人民、必ず日本官吏に対し叮嚀を尽すべし。

第3ヶ条〔上陸者の移動の制限〕
一 上陸のアメリカ人、免許を請わずして武家・町家に一切立ち寄るべからず、但し、寺院・市店見物は勝手たるべし。

第4ヶ条〔休息所の設定〕
一 徘徊の者休息所は、追ってそのため旅店設くるまで、下田了仙寺、柿崎玉泉寺2ヶ寺を定め置くべし。

第5ヶ条〔埋葬所の設定〕
一 柿崎玉泉寺境内にアメリカ人埋葬所を設け、麁略あることなし。

第6ヶ条〔函館における石炭供給義務の免除〕
一 神奈川にての条約に、箱館において石炭を得べきとあれど、その地にて渡し難き趣(おもむ)きは、提督ペルリ承諾いたし、箱館にて石炭用意に及ばざるは、その政府に告ぐべし。

第7ヶ条〔使用言語〕
一 向後両国政府において公顕の示告に、蘭語訳司〔オランダ語通訳〕居合わさざる時のほかは、漢文訳書を取用うることなし。

第8ヶ条〔港取締役、港内案内者〕
一 港取締役1人、港内案内者3人定め置くべし。

第9ヶ条〔物品購入方法〕
一 市店の品を撰むに、買主の名と品の価とを記し、御用所に送り、その価は同所にて日本官吏に弁じ、品は官吏より渡すべし。

第10ヶ条〔遊猟の禁止〕
一 鳥獣遊猟は、すべて日本において禁ずるところなれば、アメリカ人もまたこの制度に伏すべし。

第11ヶ条〔函館の移動範囲〕
一 この度箱館の境、日本里数5里を定め置き、その地にての作法は、この条約第1ヶ条に記すところの規則に傚(なら)うべし。

第12ヶ条〔日本君主の委任の自由〕
一 神奈川にての条約取極の書翰を差し越し、これに答うるには、日本君主において誰に委任あるとも意のままたるべし。

第13ヶ条〔神奈川条約の優先〕
一 ここに取極め置くところの規定は、何事によらず、もし神奈川にての条約に違うことあるとも、またこれを変えることなし。

右条約附録、エゲレス語〔英語〕・日本語に取認め、名判致し、これを蘭語に翻訳して、その書面合衆国と日本全権双方取替すものなり。

右条約附録13ヶ条は、帝国日本全権林大学頭・井戸対馬守・伊沢美作守・都筑駿河守・鵜殿民部少輔・竹内清太郎・松崎満太郎とアメリカ合衆国全権「マテユ・カルブレト・ペルリ」と、嘉永7年甲寅〔1854年〕5月22日、豆州下田港において取替させそうろうこと相違これなく、この度規定の書面、下田港において取替させるの儀、井戸対馬守へ委任せしめ、以後両国互いに条約急度(きっと)相守り申すべきこと、右

大君の命を以て

安政元年甲寅〔1854年〕12月  阿部伊勢守 花押
牧野備前守 同
松平和泉守 同
松平伊賀守 同
久世大和守 同
内藤紀伊守 同

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